会社紹介動画。いざ作ろうとすると、たいてい構成で手が止まります。何を、どの順番で見せればいいのか。大阪で映像制作をしている私が、会社紹介動画の構成を、基本の型から尺別テンプレートまで実例つきで解説します。
「動画はあったほうがいい」。もう誰でも言います。でも、同じ予算で作ったのに、問い合わせや応募につながる会社と、何も変わらない会社がある。その差は、ほぼ構成です。
企業PVも採用動画も手がけてきて、ひとつ確信していることがあります。映像の成否を分けるのは、機材でも編集技術でもありません。「見た人に、何を感じてほしいか」。それを構成の段階で決めたか、決めなかったか。ここさえ押さえれば、会社紹介動画は驚くほど伝わります。
会社紹介動画の構成を決める前に整理する3つのこと
型に入る前に、やってほしい準備があります。ここを飛ばすと、どんなテンプレートを使っても動画はぼやけます。
整理するのは、たった3つ。目的・視聴者・優先順位です。
1. 目的を1つに絞る
会社紹介動画に、欲張りは禁物です。採用も、営業も、ブランディングも。全部のせれば、結局どれも伝わりません。
決めるのは「見た人に、次に何をしてほしいか」。応募か、問い合わせか、商談での信頼づくりか。ひとつに絞れた時点で、構成は半分できたようなものです。
2. 誰がどこで見るかを具体化する
同じ会社紹介動画でも、見る人と場面で刺さる構成は変わります。採用サイトでじっくり見る学生。商談中にタブレットで眺める経営者。この2人に、同じ見せ方は効きません。
視聴者と視聴シーンを、顔が浮かぶところまで具体化してください。たったそれだけで、入れる情報と捨てる情報がはっきりします。
3. 伝える情報に優先順位をつける
会社の魅力を10個書き出すと、つい全部入れたくなります。でも、3分の動画に入る情報はせいぜい3〜4個。
伝えたいことではなく、相手が知りたいことから並べ替えてください。この順番が、次に紹介する5パート構成の中身になります。
会社紹介動画の基本構成は5つのパート
準備ができたら、いよいよ型です。会社紹介動画は、次の5パートで組むと安定して伝わります。
掴み → 事業紹介 → 強み → 人・文化 → CTA。この順番には理由があります。各パートで、視聴者の感情を一段ずつ動かしていく設計だからです。

| パート | 役割 | 動かす感情 | 尺の目安 |
|---|---|---|---|
| ①オープニング(掴み) | 続きを見たくさせる | 興味・自分ごと感 | 15〜20% |
| ②事業紹介 | 何の会社かを理解させる | 安心・納得 | 25〜30% |
| ③強み・差別化 | 他社との違いを示す | 期待・信頼 | 20〜25% |
| ④人・文化 | 働く人の素顔を見せる | 共感・親近感 | 15〜20% |
| ⑤CTA(クロージング) | 次の行動へ背中を押す | 決意・行動 | 10〜15% |
①オープニング:最初の5秒で「自分ごと」にする
動画は、最初の5秒で見るか離れるかが決まります。会社名やロゴから始めれば、ほぼ確実に離脱。
ここで置くのは、視聴者に刺さる問いか、一番伝えたい価値の一言です。「これは自分のことだ」。そう感じた瞬間に、続きが見られます。
②事業紹介:迷わせない順番で見せる
掴んだあとに、何の会社かを伝えます。専門用語は並べません。「誰の、どんな困りごとを、どう解決しているか」。この順で話すと、すっと頭に入ります。
わかりにくさは、そのまま不安になり、離脱に変わります。
③強み・差別化:数字や現場で裏づける
ここが、競合との分かれ目。「丁寧な対応」「高品質」だけでは、どの会社も横並びに聞こえてしまいます。
強みは、必ず証拠とセットで。実績の数字、現場の映像、お客様の声。具体がひとつあるだけで、言葉は一気に信頼へと変わります。
④人・文化:会社の体温を伝える
会社紹介動画でいちばん記憶に残るのは、たいてい「人」です。働く社員の表情。現場の空気。何気ない会話。特に採用が目的なら、ここが主役になります。
応募者が探しているのは、会社概要ではありません。求めているのは「ここで働く3年後の自分」。整った建前より、現場の等身大の言葉のほうが届きます。
⑤CTA:見たあとの一歩を用意する
最後に、次の行動をはっきり示します。応募はこちら。問い合わせはこちら。続きはサイトで。
感情が動いた直後に行き先がないと、人はそのまま離れていきます。CTAは、おまけではなく構成の一部。ここまで設計して、会社紹介動画はようやく仕事をします。
目的別に選ぶ会社紹介動画の構成パターン4つ
基本の5パートを土台に、目的に合わせて「型」を選びます。代表的なのは4つ。
正解は1つではありません。最初に決めた目的に、いちばん合う型を選んでください。
| 構成パターン | 中身 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| コンセプト型 | 理念・世界観を映像とコピーで先に見せる | ブランディング・認知 |
| 事業紹介型 | 事業やサービスを体系立てて説明する | 営業・BtoBの商談 |
| ストーリー型 | 社員1人の物語や1日に密着する | 採用・共感づくり |
| オフィスツアー型 | 職場・現場を案内するように見せる | 採用・雰囲気を伝えたい |
コンセプト型
会社の価値観や世界観を、冒頭から印象的に打ち出す型です。映像美とコピーで「らしさ」を届けます。
知名度を上げたい会社、ブランドの世界観で勝負したい会社に向いています。
事業紹介型
何をしている会社かを、順序立てて理解させる型です。図解やナレーションで情報を整理。
商談で使う、サービスが複雑、というBtoB企業に効きます。
ストーリー型
社員1人の入社理由や成長を追う、密着・インタビュー中心の型です。感情移入が起きやすく、心に残ります。
採用で「人」を伝えたいなら、まずこの型から検討してください。
オフィスツアー型
社内を案内するように、現場の空気をそのまま見せる型です。飾らないリアルさが武器。
職場の雰囲気が魅力の会社、応募前の不安を消したい採用に向いています。
採用目的で構成をもっと深掘りしたい方は、採用動画の構成パターン5選もどうぞ。考え方の軸は、会社紹介動画とまったく同じです。
尺別の構成テンプレート(30秒・1〜3分・3分〜)
同じ5パートでも、尺によって入れる情報は変えます。長ければいい、というわけではありません。
尺は、見る場所と目的から逆算。媒体ごとの考え方は、採用動画の長さの決め方でも詳しく触れています。
30秒〜1分:SNS・採用の入口
短尺では、5パートを全部は入れません。掴み・強み・CTAの3点に絞ります。
SNS広告や採用ページの入口など、「まず興味を持たせる」用途。ここでは、情報を捨てる勇気が要ります。
1〜3分:会社紹介・採用の定番
もっとも汎用性が高い尺です。基本の5パートを、バランスよく入れられます。
採用サイト、コーポレートサイト、展示会。迷ったら、まずこの長さで設計してください。
3分以上:営業・詳細説明
事業が複雑なとき。実績を厚く見せたいとき。そんな場合は3分以上に。事例や数字を足して、説得力を上げます。
ただし、長くするほど離脱は増えます。「全部は見てもらえない」前提で、要点を序盤に置いてください。
伝わる会社紹介動画と、伝わらない動画の差
ここまで型を紹介してきましたが、いちばん大事な話を。型を守っても、伝わらない動画はできます。
正直に言うと、私も昔は「きれいな映像=いい会社紹介動画」だと思っていました。立派な機材を使い、テロップにも凝りました。それでも、問い合わせは増えませんでした。
理由は、はっきりしています。何を感じてほしいかを決めず、情報を並べていたから。会社紹介動画の失敗は、技術ではなく、この一点から生まれます。
伝わる動画が結果を生むのは、見た人の感情が動いたときだけ。応募や問い合わせという行動の前には、いつも感情の動きがあります。この「どの感情を、どう動かすか」を構成から設計する考え方を、私たちKANDOUでは感情設計と呼んでいます。
| 伝わらない動画 | 伝わる動画 | |
|---|---|---|
| 軸 | 事業内容・会社概要の説明 | 1つの感情の動き |
| 被写体 | 役職者の整った建前 | 現場の人の素の表情 |
| 言葉 | 用意したセリフを読む | 詰まりや間のある本音 |
| 結果 | 見て終わり | 行動につながる |
具体例を1つ。社長が理念を語る場面で、言葉に少し詰まる3秒。若手が現場でふっと見せる笑顔。そこに数字はありません。でも、応募者の心が動くのは、たいていそういう瞬間です。
構成を考えるときは、各パートに「ここで何を感じてほしいか」を一行だけ書いてみてください。掴みでは興味。人のパートでは共感。この一行があるだけで、動画は別物になります。
会社紹介動画の構成に関するよくある質問
最後に、ご相談でよくいただく質問を。
会社紹介動画は自社でも作れますか
短い動画なら、スマホと無料アプリでも作れます。社内の雰囲気を手軽に伝えたいだけなら、自作も十分あり。
ただ、採用や商談で結果を出したいなら、構成の設計から相談してみてください。差がつくのは、撮影や編集よりも構成だからです。
構成案は誰が考えるのですか
制作会社に頼む場合は、ヒアリングをもとに制作側が用意します。発注側がゼロから考える必要はありません。
大事なのは、撮影前に構成案を見せてもらうこと。ここを共有せずに進める会社は、避けたほうが安全です。
会社紹介動画の費用はどれくらいですか
尺・撮影日数・内容で変わります。KANDOUの場合、企業PV・会社紹介系の映像は25万円〜が目安です。
おおよその金額は、料金シミュレーターでその場で確認できます。費用の内訳は、採用動画の費用相場の記事で解説しています。
撮影は大阪以外でも対応できますか
KANDOUは大阪府茨木市を拠点に、関西を中心に動いています。エリアは案件ごとに調整しますので、まずはご相談ください。
まとめ:構成は「何を感じてほしいか」から逆算する
会社紹介動画の構成を、型・パターン・尺の順に見てきました。要点は、これだけです。
- 構成の前に、目的・視聴者・優先順位を決める
- 基本は5パート(掴み→事業→強み→人→CTA)
- 目的に合わせて、4つの型から選ぶ
- 尺は、媒体と目的から逆算する
- 何を感じてほしいかを決める。それが、伝わる動画の正体
作り方の全体像をつかみたい方は、映像制作の流れもどうぞ。
KANDOUは、契約前に構成と完成イメージを共有してから制作に入ります。ゴールをすり合わせてからのスタート。納得いただくまで、修正は無制限です。企画から撮影、編集まで一人のディレクターが通すので、ブランドの軸はぶれません。
大阪・関西で会社紹介動画をお考えなら、構成のご相談からお気軽に。映像制作サービスの詳細はこちらから確認いただけます。
